私は生まれてこのかた癖毛だ。
癖毛にも色々あるが私の場合一本一本が根元から縮れているタイプで、更に大きくウェーブしている。
その上、出会う美容師さんには「この毛量には初めてお目にかかる」とお墨付きを頂くボリュームを保持している。
それだけでも私が如何に強めの髪と人生を歩んで来たかお分かりいただけると思うが、それだけで終わらない。
一本一本がめちゃくちゃ太い、たまに皮膚に刺さって痛かったりする。
所謂、インパクトのある剛毛癖毛なのである。
それが雨の日にもなると要らぬ本領を発揮するのだ。
普段でももっと落ち着いて欲しいじゃじゃ馬が、雨の湿気で生き生きと膨張し始める。
昔からこの髪と付き合って来て、かなりコンプレックスを抱えているのは事実。
10代の頃は縮毛矯正をしたりしてサラサラヘアーを謳歌したりもした。
しかし今はそれすらも辞めて、ありのままの毛と向き合っている。
縮毛矯正をしてもすぐに縮れてしまう生え際、毎朝膨大にかかるヘアアイロンの時間を私は放棄したのだ。
仕方がない、これが死ぬまで付き合う私の髪なのだから。
そう思い始めてからは随分と気が楽になった。
最低限整えていれば人に対して失礼にはならないだろう。
しいて強みを挙げるなら事前に雨を察知できること、そして他者を圧倒する毛量なので禿げる心配はない。
しかし雨の日は本当に毛が膨らむ…そしてこれは私だけかもしれないが、妄想も膨らむ。
雨の日の空は昼間でもどんより暗いし、雨音で街の雑踏が遠くなる。
更に傘をさしてしまえば街中にいるのに外界から遠のいた気がして自分の世界に入り込んでしまうのだ。
頭に膨らむ妄想はその時々で様々だが大抵は私に素敵な恋人がいたなら、という事だ。
悲しいやつだ…なんて思わず聞いて欲しい。
これは聞いた話だが、雨の日の傘の中は人間の声をより魅力的に響かせるらしいのだ。
もし大好きな人と相合傘をしていたとして、その人の声を世界で一番素敵に聞けたなら胸アツだと私は思う。
そういう単純に「こうだったら素敵だな」と自分が思うことを妄想するのだ。
それも、寒い日なら鼻の先が少し赤くなってるかも…とか、妙にリアルに。
しかし妄想がリアルであればあるほど現実に引き戻った時の反動は凄いものだ。
街頭の窓に自分の姿が映った時ほど最悪な事は無い。
そこには髪の毛の爆発したアラサーが虚無の顔で立っているのだから。
これが現実である。
そんな悲しい現実をどうにかする為に最近タングルティーザーを買った。
イギリス生まれのヘアブラシだ。
タングルティーザーの中でも私はボリュームヘア用の物を購入したのだが中々良かった。
何てったって公式HPのハード&ボリュームヘア用ページのモデルさんは天然アフロの海外人の方なのだ。
毛色は違うにしても私の剛毛天パにも実に有能に働いてくれた。
雨じゃなくても基本装備でモサモサの髪が一回梳いただけでスルンとまとまるのだ。
ブラシ部分が細いので寿命は短そうだとは思うが、これは値段相応の価値がある。
個人的に買って良かった。
あとはありのままの爆発ヘアーごと愛してくれる恋人をハントするだけである。
【公式】タングルティーザー 正規品 ブラシ TANGLE TEEZER ザ・オリジナル ハード&ボリューム ボリュームヘア用 ヘアケア ヘアブラシ くし ヘアーブラシ 髪 サラサラ 価格:2,200円 |
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